【準備編】鉄路でユーラシア大陸横断〜二十三日間世界一周〜

旅行記
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『二十三日間旅行するにあたり必要なものは何か答えよ。ただし、それは持ち運べるサイズ重さでなければならない』

さて【プランニング編】で西廻り航路で世界一周を果たす完璧なる計画を立て予約を行った我々だったが、まだまだ「さあ、出発だ」とはならない。

そう、二十三日間も定住せずに移動し続けるのである。あまつさえまだ春の訪れが遠いシベリアを皮切りに3万km超の長い道のりが立ちはだかっているとなれば、入念に入念を重ねてしっかりとした準備をしなければならない。

【準備編】では実際に僕が持っていった荷物をご紹介した上でそれが必要だったのかどうかについても議論したいと思う。

あなたがそんな旅に出る際、この【準備編】の情報が役に立てば幸いだ。

冒頭の問いに僕なりにが出した答えがこちら。

考えに考え抜いた必要十分な荷物

2020年3月時点の情報をお伝えする。

バッグ類

まず必要なのが荷物をしまうためのバッグである。リュックサック程度なら国内旅行や普段遣い用に各種取り揃えているが、残念ながら上記の荷物すべて収まるようなものは持っていなかったため、神保町の用品店など様々な店を物色して最終的に行き着いたのはAmazonのこちらの商品だった。

ウミネコ UM-04 JINBEI 3WAY 大型遠征リュック 大容量60L ノートPC収納スリーブ状スペース有 レインカバー付

容量はなんと60L! 流石にこのサイズなら荷物すべてを収められると踏んでこれに決定。値段も約6,000円と比較的お安く、リュックタイプにも肩掛けにも手提げにも対応している3WAYが便利そうかなと。チャックも上からではなく横から開くタイプなので、列車内やホテルで中身を取り出す際に深く手を突っ込んで漁る必要もなくてかなり便利。

ただ身長153cmのキキが使うとかなりバッグの比重が大きくなってバランスが悪いという問題があるので、60Lのバッグはかなり使い所を選ぶ。実際、帰ってきてからは他のバッグを入れるためのバッグと化していて、次に使うのはいつになることやら。

表面は登山用バッグにも使用される高密度ナイロンで、釣り用に使っても岩場で破れたりしないという高耐久度。
実際旅行中は十分にその役目を果たしてくれましたが、帰ってじっくり確認すると、中の仕切りの布が破れちゃっていたりと内側の耐久性はそこまで高くないかも。。。

ちなみに『IBEG』のロゴはマジックテープ式なので気に入らない方はズバッと剥がせます。

その他バッグ類

ただし、60Lのバックパックを旅行中常に持ち歩くほど体力に自信があるわけではないので、バックパックをロッカーなりホテルなりに預けた後に使うのが画像左側のサブリュックサックである。
このadidasのリュックは国内旅行であれば十分に事足りるので、かなりヘビロテで使用している愛用のバッグだ。

一方、画像右側のサイケデリックなのがウェストポーチで、パスポート・財布等の貴重品を肌身離さず持ち歩くためには必須だ。日本国内であればバッグをすべて席に置いたままトイレに行くなど造作もない僕だが、流石に海外でそのような不用心さは発揮できないため基本的にどこかへ行く際には常にこれ一つは身につけていた。(ちなみにこのバッグはコミケで財布を入れるのにも便利だぞ)

防寒着

3月のシベリアはまだまだ全然冬。というか、基本的に氷点下何度の世界で東京住みの僕からすると四六時中極寒なので、それに対応する装備ももちろん持っていった。

凍ったバイカル湖で調子に乗るキキ

基本的にシベリアの屋外で着ていた服は次の通りである。

  • E UNIQLOのダウン(シベリアの為に探した結果、モコモコせずに防寒性が高い。数千円程)
  • E UNIQLOのウルトラライトダウン(普段遣いしてるロングタイプ)
  • E UNIQLOの手袋(2月も下旬だとセールで激安になってた。数百円)
  • E UNIQLOの極暖ヒートテック上下(服の下に着るものとしてはかなり厚手で十分過ぎる暖かさ)
  • E フード付きパーカー
  • E ネックウォーマー
  • E 裏起毛のシャカパン
  • E 暖かめのしっかりとした靴
  • E 普通のTシャツ
  • E 普通の下着(シャツ・パンツ・靴下)

つまり、上半身は シャツ→ヒートテック→Tシャツ→パーカー→ウルトラライトダウン→ダウン の6枚というセルフマトリョーシカ状態だった。

こうやって書き起こしてみるとかなりのUNIQLOユーザーの様だが、荷物制限が多い中でUNIQLOのダウンやヒートテックはかなりの高パフォーマンスだったので是非ともおすすめしたい。

3月のシベリアに行く場合に必須のアイテムは、ダウンなど体全体を暖められるものはもちろんとして、手袋やフード、ネックウォーマーは欠かせない。
コミ君などは帽子にしていたが、その代わりにフード付きパーカーネックウォーマーで十分な防御力を発揮できる。

ただしシベリア鉄道の車内や飲食店等は普通に暖房がガンガンで一般的な東京の冬の室内よりも暖かさが保たれているので、屋内に入ったらすぐに脱げるように重ね着スタイルを推奨する。

旅行用に新たに用意した防寒着の中で一番混迷を極めたのが靴だった。ダウン等の上着なら荷物の奥底にしまい込んでしまえばいいが、靴はかさばるのでそうもいかない。最高20℃近いポルトガルと最低マイナス20℃を下回るシベリアの温度差40℃での着用に耐えうる靴にしなければならなかった。
そこで、滑り止めが多少しっかりしてそうな暖かさを保てるくらいの靴でお茶を濁したが、結果的には大正解だった。一応くるぶしまでしっかり防水性の高いものにしたのが功を奏し、雨模様や雪深いシーンでも靴下がびしょ濡れになってテンションだだ下がりの憂き目に合うことはなかった。

他にカイロを大きいサイズ、小さいサイズ、靴下用とわんさか用意していったのにも関わらず、実際にはほぼ使う機会が訪れずシベリア鉄道で同室になった方にあげてしまったので、必要性は低いと思われる。

衣類

防寒着以外の衣類は新たに買うことはせず普段遣いしてるものにしたが、二十三日分も持っていく余裕など容量的にも体力的にも無い。

洋服・下着

そこで九州旅行や四国八十八ヶ所巡礼でもやった、ホテルやランドリーで洗って乾かそう作戦を実行することにした。その場合、最大3日分あれば十分だから着ていく分も合わせて服は3,4枚下着は5日分ほど持っていったはず。

ただしここで注意したいことがある。冬のシベリア鉄道は一歩外に出れば極寒だが、車内は十分に暖房が着けられていて半袖半ズボンで十分なレベルである。だからこそパジャマのズボンも薄手のものにして、Tシャツは起間着寝間着である。

写真にも写っているが、長期の旅行において洋服類は基本的に圧縮袋で体積を小さくして持っていくのが肝である。
そうしなければダウンが必要ない国に訪れた時にかさばって仕方ないためだ。

サンダル

【防寒着】の章で靴選びには難儀したと書いたが、もう一つ靴関連で忘れてはいけないのがサンダルだ。シベリア鉄道を始めとして何日も夜行列車に乗る上で、足元の快適さは総合的な快適さに直結する。あんなしっかりとした靴をベッドに乗るたびにいちいち履くのは面倒極まりない。

そこで欠かせないのがサンダルなのだ。

シベリア鉄道の車両のつなぎ目は極寒でラフ過ぎる格好と釣り合わない

かさばらず、向こうで捨ててきても惜しくないものとして、ダイソーで200円くらい支払ってこのチープなサンダルを買ってみたのだが、意外や意外の履き心地の良さで帰国する際にも飛行機の中で重宝して、なんならその後の普段遣いや三宅島旅行にも主戦力として存在感を発揮してる。

洗面用具・衛生用品・薬類

洗面用具

洗面用品もいつも旅行用に用意しているものの量を増やすだけで取り立てて珍しいものは持っていっていないはず。

  • 電動歯ブラシ(旅行前に充電を満タンにしておいた)
  • 歯磨き粉、マウスウォッシュ、糸ようじ(数十本)
  • 綿棒
  • お風呂用メガネ(目が悪いので旅行には必須。最悪サブのメガネとしても使える)
  • ハンドタオル
  • 水泳用速乾タオル(吸水性が高くすぐ乾かせ場所を取らないのでバスタオル代わりに最適
  • シャンプー(ついてないホテルもあったし、使い慣れたシャンプーが髪にもいいかなと)
  • 電動ひげそり(安全剃刀を信用していないため)

衛生用品

衛生用品はコロナの発生し始めということもあり多少多めに持っていった。海外ではウォシュレットが無いのはもちろんのこと、ロシアではトイレの紙を流せず併設のゴミ箱に入れるシステムなのでそれも踏まえて色々と準備した。

  • マスク数枚(当時は基本的にヨーロッパで使ってる人はほぼ見なかった)
  • ティッシュ1Box(箱ティッシュも箱を取って中身だけにすればあまりかさばらない)
  • トイレットペーパー1ロール(正直必要ない上、かさばって最悪)
  • 水に溶けるおしりふき2パック(実はおしりふきは安全性が高く口拭きにも使える。超便利
  • トイレ除菌シート、その他除菌シート2パック(色々と使うところは入念に)
  • ボディー拭きシート(シベリア鉄道にはお風呂がないので少しでも清潔を保つ為に)
  • 水が要らないシャンプー(多少さっぱりはするけど気休めかも。コミ君に使わせてもらった)

以上のアイテムはどうしても必要かと言われると返答に困るところだが、健康で文化的な最低限度の生活の生活を旅行中も営みたいのなら検討する余地はあるだろう。

旅行記本編でも触れることはあると思うが、ロシアのトイレ事情についてもう少し語っておくと、まずシベリア鉄道内のトイレは思ったよりもキレイで使うのに抵抗があるレベルではない。またロシア国内ではトイレットペーパーが無いことも多々あるという情報も入手していたが、ウラジオストクからモスクワまで何回もトイレを使う中でトイレットペーパーが無かったことは一度もなかった。しかし、トイレットペーパーがロール式なのはまだ良い方で、日本でよくトイレの洗面所見かける手拭きペーパーのようなスタイルのものも多くあり、基本的にお尻が鍛えられる硬さの紙となっている。

シベリア鉄道のトイレ。ちなみに便座の正面、手の届く位置に空いているのがトイレットペーパー捨て用の穴。

先述の通りロシアではトイレの紙を流せないと書いたが、それはトイレットペーパーが水に溶けづらいというのが理由で、一応水に溶けるタイプを日本から持っていけば事足りるのだが、それならばウォシュレットの代用も兼ねておしりふきを選択するのがベターだと思う。

薬類

一方、薬類は忘れると痛い目を見るというか痛い目を和らげることが出来ず不便を強いられると思う。一応普段の旅行でも最低限の薬セットは必要となるが、話がこと海外になると「ちょっと、そこの薬局で」買うのはかなりハードルが高い。薬が体質に合わないかもしれないし、そもそも症状に噛み合った薬を買えるかも大いなる賭けだ。やっぱり、常用していて安心感のある薬は持っていくべきだろう。

  • 痛み止め(ロキソニン系)
  • 風邪薬(パブロン)
  • 酔い止め(トラベルミン)
  • トローチ、のど飴(ヴィックス)
  • 目薬
  • 整腸薬(僕はいつもの百草丸だったが、コミ君は『正露丸』というロシアに行くのになかなかエッジの効いたチョイスだ)
  • 軟膏類(オロナイン軟膏)
  • 絆創膏
  • リップクリーム(寒さで唇が割れること必至)

カメラ・電子機器類

まずブログでも多用しているカメラ類をご紹介。

ミラーレス一眼

欠かせないのはミラーレス一眼、X-T30。今まではNikonの一眼レフを使っていたのだが、結構サイズ感が大きくて流石に海外旅行で撮りまくるのは骨が折れそうだったので、思い切ってミラーレスに買い替えてみたのだ。

X-T30。ヨドバシカメラで買った時に、交渉でかなりお安く出来たので大満足

レンズはキットレンズの15-45mmの1本しかなかったのだがいろんなシーンでかなり重宝する画角で、迷ったら広大なバイカル湖から狭い車内まで、これ1本だけでも十分イケる! 強いて言えば広角が好きなのでそれを買って持っていってもよかったかもしれない。

ただ、持っていった32GBのSDカード2枚のうち1枚が壊れてしまい、残り1枚に撮った写真をホテルの無料Wifi等でGoogle Driveに入れて凌いでいたので、冗長性のためにも大容量のSDカードを何枚か持っていくことを強く、強くオススメする。
もちろん、交換用のバッテリー2本と充電器も忘れずに。

360度カメラ

Theta SC2(この旅行ではTheta SCを持っていったが、壊れたので買い替えた)

僕が好きなのがこのThetaで撮った360度写真だ。一眼レフほどは画質も良くないのだが、やっぱり全方位写せるだけあって旅行先の雰囲気をまるごと残すのに最適なのだ!

バイカル湖で撮ったTheta写真

このように凍結したバイカル湖もその広大さもろとも写真に残しておけるので大好き。

タブレット

他に重宝したものと言えばAndroidタブレットだ。

ホテルのWifiで観光地を検索する等にももちろん使えるが、一番期待したのが暇つぶしとしての役割である。

文庫本を持って行ってシベリア鉄道でカラマーゾフの兄弟を読むとか旅情を楽しむのも一つの考え方だが、やっぱり手軽さには勝てずAmazon Kindleのアプリで存分に読書に耽溺することが出来た。

小説の世界に没頭する様子を激写されるキキ

ちなみに、この旅行中に読み切った本をご紹介すると、
薬屋のひとりごと

君の名は。

痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。

などである。

コミ君は文庫本3冊はまだ分かるとして、MacbookProを持ってくるという偉業をなしていたので素直に讃えたい。結構パソコンは写真のアップロードや検索などで便利に使えたのだが、流石に世界一周する際には過剰だと思う。

スマートフォン

SIMカードを購入すれば海外でも十分に使えるので、スマートフォンは決して忘れることのないように。

同行者との連絡用としても有用だが、やっぱり見ず知らずの土地ではGoogle Map + GPSが強い。そのお陰で難しい路面電車やバスの乗換えもスムーズに行えるので、海外旅行でもマストアイテム。

充電器類

カメラやタブレット等の電子機器のバッテリーは当たり前ながらそこまで長く保つものではないので、充電が肝要となる。

充電のないタブレットなどただの石板だ。

変換プラグ

ヨーロッパに旅行へ行く時に忘れちゃいけないのがコンセントの変換プラグ。
もちろん電圧や周波数などにも差異はあるのだがそもそもコンセントが刺さらなきゃ話にならない。

ロシアとヨーロッパを巡るのであれば、基本このCとSEの二種類があれば十分だろう。ほとんど同じ形のように見えるが、実際刺す部分の太さが微妙に違うだけである程度の互換性はあるようだ。

アダプター

現代日本人でコンセント to USBのアダプターを持っていない人はまず居ないと思うが、変換プラグも1個しか無いためUSBを2口分取れるアダプターを新たに買ってみた。コミ君はタコ足分配器で対応していたが、それで十分かもしれない。

モバイルバッテリー

これも普段遣いしているもので全く問題ない! が、ホテルに泊まらず寝台列車泊が多い今回は十分に全てのガジェットに充電することは難しいかもしれない。ということモバイルバッテリーは2個、計20000mAh以上の容量を用意して臨んだ。

上述の通りカメラは交換用バッテリーも2個持っていったのでローテーションを回して充電を回すことが出来たため、基本的にモバイルバッテリーが必要なのはスマホだけで済んだので、モバイルバッテリーは1個でもよかったかも?

食料

海外旅行ではよく日本の味が恋しくなるというが、今回の旅行では郷愁を紛らわせるよりも切実な理由で食料を日本から持っていく必要があった。

シベリア鉄道には食堂車も接続されているものの基本的には部屋で食べることになるからである。

無論乗車前に現地のスーパーで買い足しもしたが、食べ物はお腹の中に入れてしまえばバッグの容量も復活するので、少しは日本から持って行くこともオススメする。車内で同室になったロシア人との会話の種にもなるかもしれないし。

カップ麺系

まずはなんと言っても外さないのがカップラーメン系だろう。

ぼくは、

  • カップヌードル醤油味 × 2
  • カップヌードルカレー味 × 1
  • 赤いきつね × 1
  • ミニチキンラーメン × 1

を持っていったが、その際カップヌードルの醤油味1つとカレー味は予め容器から出してビニール袋に入れ替えてリフィルのようにしてみた。体積を削減し、食べるときは未開封のカップヌードル醤油味の容器を洗って流用しようと考えたためであるが、実際に食べようとしてみると袋から出して容器に再投入する時に、ビニール袋に麺の出っ張りが引っかかってなかなか入れづらい事が判明! 賢明な読者諸君は市販のリフィルのタイプを買うか、引っかからないような容器に入れて持ち込むべきだぞ。

ちなみに蓋がないと上手く戻らないだろうと思って、持っていったラップでカバー。

一番のおすすめは赤いきつね。確かシベリア鉄道の最後の方に食べたはずだが、あの出汁の風味が五臓六腑に染み渡るぅ。一生で一番美味かった赤いきつねかもしれん。次回シベリア鉄道に乗る際は赤いきつねは1つじゃなく2つは絶対に持っていくぞ!

カップ麺を食べるのに欠かせない肝心のお湯は、各車両にサモワールと呼ばれる給湯器が配備されているため常に新鮮でホットなお湯が手に入るのでご心配なく。

飲み物・スープ系

お湯が手に入るとあれば持っていきたいのが、インスタントのコーヒーや紅茶のティーバッグだ。

シベリア鉄道では何時間も止まらないことがざらにあり、更にその駅で停車時間が十分になかったり、そもそも売店がない場合はどうしようもない。そんな心配をしなくて済むようにキチンとHotドリンクを飲めるように準備しておこう。

持っていったものは以下の通り。

  • インスタントコーヒー(ブレンドやラテ等々……) × 10本くらい
  • インスタントほうじ茶 × 数本
  • 赤だし味噌汁 × 1杯分
  • コーンスープの素 × 1,2杯分

インスタント系のものは基本的に1本で1杯分になるスティックタイプのやつで、ずっと車内にいるだろうからとご覧の通りそこそこ持っていったのだが、実際に飲んだのは数杯でほとんどが無駄になってしまった。

コーンスープの素とかのスープ系は途中で買ったパンとかを食べるときにぴったりだったから、いくつか持っていってもいいかもしれないけどね。

一方で、禁断症状的に飲みたくなってしまったのがお茶だ!

この旅行に行くまで気づいていなかったのだが、僕は基本的にコーヒーとかは一週間に1回くらいしか飲まないが、麦茶等のお茶は毎日当たり前のように飲み続けているので、ロシアに渡ってお茶が飲めないことがこんなに渇きを覚えるものなのかと愕然とした。

日本ではコンビニでも、ど田舎の山の中にある自販機だろうがペットボトルのお茶は必ず売っているが、海外で飲みたくなってもまず売っておらず、もし見つかったとしても砂糖入りのコレジャナイ感満載のものしか手に入らない。

どうしても緑茶が飲みたくなってイルクーツクで衝動買いしたわけのわからないお茶

そうなら自分で淹れればいいんじゃね? という逆転の発想によりGREEN TEAと明記されていたこのSaito茶なるものをイルクーツクで購入。

味はすごく良いお茶というわけではないが、渇きを満たすのには十分でようやく人心地つくことが出来たのであった。

ちなみにFUJIAN GREENのFUJIANは富士山っぽい響きだけど全然関係なくて、福建省を英語でFUJIANと言うらしい。

忘れちゃいけないのが、

カップラーメンを食べるにも何を食べるにもやっぱり割り箸があると食事が一気に楽になる。プラスチックスプーンも持っていったけど、こっちはお湯で戻すタイプのマッシュポテトを食べる時くらいかな〜、必要だったのは。

割り箸が一膳あれば単に食事を食べるだけでなく、ポテチを食べるときにも手が汚れず非常に重宝した。日本人で良かった〜。

箸でスマートに食べるポテチ(カニ味)

その他

お菓子としてはうちにたまたまあったというだけでPuccaを2個ばかり持っていったが、同室のロシア人にはそこまで好評じゃなかったなぁ。
基本的にロシアのお菓子もかなり甘々な物が多くてPucca程度では糖分力が足りてなかったのかもしれない。

他にはカロリーメイトとジェルタイプのネクターを持っていったがそれについてはまた後日。。。

最後に用意しておいたら安心なのが調味料類。

小分けの容器に、醤油・塩・胡椒・味の素・七味……あと海苔数枚を持っていったけど、味変が必要な料理に出会わないことが望ましいが、万が一お口に合わない料理が出てきてしまった時に心強い味方となる。

ぼくは一食だけそれに遭遇してしまい調味料を駆使して頑張って飲み込んだ

持っていくべき、その他アイテム

上記に分類されていないが、シベリア鉄道に乗る上で是非とも持っていくべきアイテムがまだ存在する。

コップ

例えば、そう。コップだ。

シベリア鉄道客室の机の上も生活感満載に。

僕が持っていったコップが画像右側の金属製っぽいもので、これ一つあるだけでお茶もスープも自由自在。

むしろコップがないと折角の飲み物を飲むことも難しい。

コミ君は画像左の魔法瓶を選択していたが、そっちメリットは言わずもがなぬるくならなず、熱々のまま飲み物を楽しめることだ。しかもティーバッグの取っ手部分をいい感じに固定できるという面もあるが、流石にスープをこれに入れて飲むのは厳しそうだ。

コップタイプでも魔法瓶タイプでもどちらにせよ、お湯を存分に楽しめるように準備しておこう。ただし、捨ててこられるからと言って紙コップ系は耐久性の面でも熱伝導率の高さの面でもおすすめしない。

将棋盤(暇つぶしとして)

シベリア鉄道を端から端まで楽しもうとした場合、丸7日間は車内で過ごすことになるが、一番の敵はやはり退屈感だ。暇を潰すために読書に没頭するのも効果的だが、流石にそれだけで乗り越えるのは厳しい。

我々は2人で乗り込んだため1ゲームを長く楽しめて、かつあまりバッグの容量を取らないものとして僕はポータブル将棋盤を持って行くことにした。シベリア鉄道やその後の夜行列車も含めて何ゲームもして時間を潰せたのでこの選択は間違ってなかったと思っている。

シベリア鉄道で一人のおじさんがちょいと将棋に興味を持ったようでちょっとした会話の取っ掛かりにもおすすめである。

ちなみに、その時はおじさんに「Japanese Chess」と説明しておいた。

あなたも将棋盤等のゲーム板を持っていこうと思うのなら、多少車両が揺れても大丈夫なようにマグネットタイプのものがいいだろう。

もしあなたが一人旅なら延々と詰将棋に邁進するのも一つの手だろうが、パソコンを持って行ってこのような旅行記を執筆したりするのもいいかもしれないな。

ここで、重要なことを一つ述べておこう。

シベリア鉄道では基本的に電波は入らない。もし、多少なりとも通信が可能になったならばもうすぐ列車が駅に着く証拠だ。スマホひとつで乗り込んで日本で携帯を使うイメージでTwitterやネットサーフィンに勤しもうと思っているとしたら、悪いことは言わないから、電波がなくても楽しめるものを準備していくべきである。

まあ無事に(?)シベリア鉄道に体が適応すればいつの間にか時間が過ぎゆくようになっていくのだが。

イヤホンも持っていったが思ったより使う機会はなく、一番使ったのは車内は車内でも日本で家から成田空港に向かうまでの電車だった気がする。

ビニール袋類

国内旅行でも必需品のビニール袋類!

使用済みの洋服やちょっとしたものを小分けにしておくのに便利なので忘れずに持っていこう。

おすすめとしては、最近タダではもらえなくなったコンビニとかのレジ袋をサイズ別に数枚ずつと、スーパーで結露する商品とかを個別にいれる透明の袋を10枚以上かな。

印刷した地図等

後述するけど、SIMカードがあればある程度通信はできるんだが、もし上手くSIMの設定ができなかったり十分な電波が得られないと宿へ着くこともままならなくなってしまう。

最低限、宿の地図と連絡先を紙媒体で持っていくのはリスクヘッジの面で不可避と思って欲しい。

また列車のeチケットもネットで予約してメールに添付されてきたものを紙に印刷して見せるスタイルが基本なので、地図と一緒にそれらのチケットもクリアファイルに入れて大事に保管しておこう。

折りたたみ傘

大抵の旅行では雨具は重要かと思われるが、今回においては天候に恵まれて小雨のモスクワ以外あまり使う機会が訪れなかった。

使わないときはとことん使わないが、ひと度雨に濡れてしまうとテンションの急降下は避けられないので、荷物の空き具合と相談の上で決めよう。

その他、ちょっとしたもの

『使う機会があるかもしれない』という念の為精神でチョイスしたのがこの品々。

  • ボールペン(出入国カードを書いたりする時にあった方が良い)
  • ダブルクリップ1個、ガムテープ数十cm、輪ゴム数個(今回は使わなかったが場合によっては便利)
  • S字フック・スズランテープ数m(何に使うのか!?と思われるだろうが、ホテルで洗濯物を干す時にかなり重宝。全く場所を取らないので多少長めが吉)
  • はさみ(スティックタイプの小さくなるやつを持っていったが、多分使わなかった気が)
  • 洗剤(コミ君が持ってきてくれたものを使用して、下着等を手洗い)
  • ラップ(1ロール持っていってみたけど、カップ麺の蓋くらいでしか使い道がないので不要)

ビザ(ロシア・ベラルーシ・アメリカ)

日本国旅券は『パスポートランキングに於いて、日本国旅券所持者がビザなしで渡航できる国や地域の数が世界で最も多い(wikipedia)』ひっっじょーに強力な効力を持っていて、世界中で190の国と地域はこれ1冊あればスイスイっと入国できる。

逆に日本のパスポートだけでは入国できずビザを別に取らなければならない国は基本的にはたったの33カ国しか無いのだが、今回の旅程ではロシアベラルーシアメリカの三国でビザないしは申請が別途必要だった。

ロシア

ウラジオストクで短期周遊するという特殊な場合は置いておいて、ロシアでは基本的にビザを入手しなければならない。

ロシアのビザを取る方法は、ロシア大使館で自分で申請する手法と取得代行会社で取ってもらう2種類あるが、大使館でやったほうがもちろん安く申請できる。しかし、我々は行動が少し遅かったために大使館の方の予約がかなり埋まっていて、ベラルーシのビザ申請の必要もあったりと出発日までにパスポートが返却されるか際どかったので、比較的早く申請ができる取得代行会社に依頼してビザを取得してもらった。

大使館では受付時間もかなりシビアなので、時間が合わなかったりする人も代行会社に依頼したほうがいいかと思う。ちなみに、代行会社の社員の方はロシア系美人で占められていた。

また、ロシアのビザ申請で重要なのがバウチャーと呼ばれる旅程証明書(XXホテルに宿泊等)が必要となる。これはそれぞれのホテルに申請してゲットしなければならないが、今回はシベリア鉄道! シベリア鉄道はホテルなのかただの移動手段なのか? 難しいところだが、それはそうとしてこれまた代行でバウチャーを発行してくれるサービスTravelRussiaで依頼をするとpdfで送ってくれるので、今回はそれを活用した。

ベラルーシ

ベラルーシも飛行機で直接入国するという特殊な場合を除いて、『ロシアから入国、またはロシアへ出国場合、ビザが必要です!』と駐日ベラルーシ共和国大使館のHPにも書いてある。

え? 全然特殊じゃない? むしろ普通?

まあそんなことは置いておいて、つまりロシアから鉄路で入国するにはビザが必要なのだが、ビザを取る人が少ないだろうこともあって必要書類を準備すれば比較的早く受け取れる。

この時、発行すべきなのが通過(トランジット)ビザのシングルタイプである。トランジットビザではベラルーシを2日間訪れられる効力が有り、今回はロシアからポーランドまですり抜けるだけなのでこれで十分。

ただし発行するには、
a)   航空、バス、または電車の切符のコピー
b)ベラルーシを通過後、滞在する国のホテルや宿泊施設が発行したバウチャー
a) or b)も必要となるので、予め準備しておこう。僕たちは念の為、確かロシア発ポーランド行き列車のe-チケットのプリントとポーランドからウィーンまでのe-チケットの双方を持っていった気がする。

取得するときには五反田駅徒歩そこそこの距離のベラルーシ大使館に行かなければならないのだが、ここが曲者で、かなり閑静で豪奢な住宅街の一角に

ベラルーシ大使館のあまりのも大使館らしくない外観 by Google Map

あまりにも”らしくない”佇まいで建っているのでGoogle Mapの位置情報と突き合わせながら探したほうがいい。

あまりのも分かりづらい入り口

しかも、この左側の小さな勝手口のようなところが入り口なので、しっかりと全集中して見逃さないようにしよう。

アメリカ

アメリカ入国にはビザは要らないのだが、ESTA(エスタ)という電子渡航認証システムへの申請が必要となる。

申請自体は他の詳しいサイトを見てもらえば簡単に済ませることが出来る上、全てオンラインで申請可能なので他の2カ国に比べて一番手っ取り早いだろう。

絶対に、忘れてはならないもの

最後に絶対に忘れてはいけないものを紹介。

パスポート

これは当たり前だが海外に行くための必須アイテム!

申請してから受け取るまでに多少の時間が必要なので、慌てて取りに行くことのないようにしっかりと有効期限をチェックした上でGetしておこう。

ワンポイントアドバイスとしては、パスポートの写真とパスポート用に撮った顔写真の予備を持っていったほうがいい。こんな事になって欲しくはないが、万が一外国でパスポートを紛失した時、この2つがあると大使館での処理がスムーズに行えるそうなので念の為持っていくべし。

現金・クレジットカード

お金があれば何でも出来る。いくぞーッ!

まずは言わずもがなクレジットカード。これ1枚あれば全世界どこでも物が買えるが、最低2種類持っていくのがオススメ。限度額の問題もあるが、そもそもカードブランドの対応問題もあるのでVISAとMasterの2つは冗長性のためにも持っていこう。

クレジットカードがVISAのタッチ決済対応だと更に利便性抜群。
日本だと十中八九タッチ決済など無用の長物なのだがヨーロッパ圏ではかなりの店で対応していたイメージなので、財布からカードを出さずにSuicaのようにピピッと決済できる。

ここで念の為やっておきたいのがクレジットカード会社への連絡だ。日本でしか使っていなかったクレジットカードをいきなり海外で使い出すと(しかも今回は各国を次々と渡り歩いている)、クレジットカード会社の方が怪しんで善意からクレジットカードの利用停止措置をしてしまう場合がある。頼みの綱のカードがそんな事になってしまっては大変なので、事前に各クレジットカード会社へいつからいつまでどの国で利用する予定かを説明しておいたほうが安心安全。

もちろんクレジットカードだけですべてを賄うことは出来ないので現金もある程度必要である。

現金を手に入れるには、クレジットカードを使って現地のATMから引き出す方法がかなり便利だが、着いてすぐそれが利用できるとは限らないので僕は予め成田空港で両替するなどしていくらか持っていった。

成田空港での両替シーン

成田では4万円分のユーロと300ルーブル(700円くらい)に両替。コミ君はここで両替をしなかったのでロシアへの入国時には現地通貨を一人350円しか持っていない計算になる。なかなかワイルドだろ?

何故わざわざユーロも手に入れたかと言うとユーロ圏が一番長いというのもあるが、日本円などという極東の島国でしか使えない通貨では海外で両替するレートがかなり悪いので、一度ユーロにしておくことにより他の通貨への現金化を楽にしたかったためである。

手に入れた100ルーブル札。大体200円くらいだから使いやすい単位。

今回の旅程で必要となる通貨は

  • ロシアのルーブル
  • ポーランドのズウォティ
  • ユーロ圏のユーロ
  • アメリカのドル
  • 台湾の台湾元
  • 日本の円

の6種類。ルーブルはまだしもズウォティなんてなかなかお目にかかる機会がない。

そんな人は居ないだろうが念の為言っておくと円をすべて海外の通貨に両替してしまうと帰国した時自宅まで帰るのが厳しくなるので、数千円程度は残しておいた方が良き。

SIMカード

現代で文化的な旅行を送るにあたって、電波は切っても切り離せない。どこで接続できるかもセキュリティレベルも定かではない海外のWifiを当てにせずにしっかりとSIMカードを準備していくのが肝心要。

日本に住んでいるとあまり意識しないが、実はスマホの通信に使われているバンドと呼ばれる周波数帯は国によって異なっていて、日本で使える携帯だからといって海外で通信が可能なわけではない

僕の使っているSHARPのSHV41は逆立ちしてもアメリカのバンドに対応していなかったので、アメリカでの通信はコミ君に一任することにして最低限ロシアとヨーロッパ、台湾での通信を確保することにした。

海外で通信を確立するには、海外のSIMカードの購入・日本から海外対応モバイルWifiのレンタル・各携帯キャリアの海外ローミングサービスの3通りの方法があるが、SIMカード以外は料金の桁が違うので今回はSIMカードを基本として用意することにした。

まずはロシアの大手通信会社メガフォンのSIM 6日 4G・3Gデータ通信無制限で680円。
ロシアには11日間滞在予定なので、これを2枚購入してロシアの通信は心配なし!

封筒の中にむき出しのSIMカード2枚と取説1枚

こんな防御力の低いちゃちな包装で来てかなり心配だったが、実際に現地で使ってみるともちろんシベリア鉄道の大平原では圏外になるとしても、ウラジオストク・イルクーツク・モスクワでは十二分に活躍してくれたので次回ロシア行く機会があってもこれを必ず買う!

このときもamazonの商品ページにしっかりと対応バンド帯が明記されているので要チェック。

ヨーロッパも同様にアマゾンで漁って見つけたのがこれ、

ヨーロッパ 35か国 4GLTE/3GプリペイドデータSIMカード/ 5GB 4G-LTE 1980円

10日間有効で5GB利用可能というSIMだが、ヨーロッパ対応のSIMが数ある中で結構ポーランドからポルトガルまで使えるというのがなかなか少なくて見つけるのが大変だった。

ロシアからポーランドまで向かう寝台列車の中でロシアのSIMからこれに入れ替えたのだが、無事に通信を開始してくれて十分に機能を果たしてくれた。強いて言えばロシアの方は通信量無制限だったのに比べ、こっちは5GB制限があったためちょっと厳しかった。

最後に台湾だが、これはauの1日ローミングサービスがかなりお安かったので一も二もなく決定。

命綱であるGoogle Mapを絶やさないようにするにも通信は確実に確保していこう。

海外旅行保険

海外旅行に行くならやっぱりひとつは保険に入っておいた方がいいと僕は思う。クレジットカードの付帯保険ではあまりのも手薄だったので、今回はジェイアイ損害火災保険株式会社の海外旅行保険に入ってみた。

どの程度保証をいれるかは個人の自由だが、僕は万が一に備えて結構しっかりコミコミで入っておく方なので、最終的に保険料が12,540円になってしまった。コミ君はソニー損保で7000円程度に抑えたそう。

僕が入った中は弁護士費用やテロ等対策費用、飛行機遅延保証費用など変わったものもあったんだけど、今回入ってよかったとしみじみ思ったのが旅行中断費用保証(確か800円ほど)。

これに入っていたお陰でコロナの影響で途中帰国を余儀なくされたときの80,730円が帰ってきたのでかなり得をした気分。

カエル

雪中の機関車とカエル

言わずとしれたカエル。Twitterやこのサイトに自分の代わりに顔出しで載せるのにピッタリ。

必須かと言われると、僕にとっては必須。

いよいよプランニングと準備も終わってあとは出発するだけ!

キキとコミ君の旅路はどうなったのだろうか。続きはこちら

(準備中)

【プランニング編】はこちら↓

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